1.冷蔵庫延長コードが必要なシーンとは?
1-1.冷蔵庫に延長コードを使いたくなる日常
冷蔵庫を置きたい場所にコンセントがないとき、「延長コードでつないじゃえばいいか」と思ったことはありませんか?実は冷蔵庫に延長コードを使うのは、ちょっとした注意が必要なんです。
キッチンの模様替えで延長コードが必要に
家具や家電の配置を変えたとき、冷蔵庫の近くにコンセントがないということ、意外とありますよね。レイアウトの自由度を上げたいときに「延長コードを使って動かそう」と考える方も多いはずです。
賃貸住宅でのコンセント不足問題
賃貸だと、コンセントの数や位置って限られています。特に古い物件では、冷蔵庫専用のコンセントが用意されていないことも。そんなとき「延長コードで何とかしよう」と思うのは自然な流れです。
仮設キッチンやイベントでの一時使用
引越し時の仮設キッチンや、アウトドアイベントなどでも冷蔵庫を使いたい場面があります。その場合、延長コードで電源を引いてくるという選択肢が浮かびますが、安全性には注意が必要です。
1-2.冷蔵庫に延長コードは使っても大丈夫?
家電事故の約半数は電源まわりが原因
実は、家庭内で起こる家電事故の多くが電源コードまわりに関係しています。経済産業省の調査によると、火災や感電などのトラブルの原因の一つが、延長コードの不適切な使用です。
冷蔵庫は高出力な家電製品である
冷蔵庫は24時間電力を消費し続ける家電です。瞬間的な出力はそこまで高くなくても、長時間の使用でコードが熱を持つ可能性があります。通常の延長コードではその負荷に耐えられないこともあるのです。
延長コードの選び方でリスクが変わる
延長コードには種類があります。冷蔵庫のような大型家電に向いていないものを選んでしまうと、過熱や発火のリスクが高まります。つまり「ただ延ばせばいい」では済まされないのです。
2.冷蔵庫に延長コードを使う際のポイント
2-1.冷蔵庫に延長コードを使ってもいい条件
定格容量と電力量の確認が第一
延長コードを冷蔵庫に使う場合、まず確認したいのが「定格容量」です。冷蔵庫の消費電力が、延長コードの対応範囲を超えていないかどうかがポイントです。冷蔵庫は意外と電力を使います。省エネモデルでも150〜400W程度はあるため、コード側のスペックが不足していると危険です。パッケージや商品説明に記載されている「1500W対応」「合計1500Wまで」などを必ずチェックしてください。
電源タップとの組み合わせに注意
延長コードと電源タップを併用して、複数の家電を一緒に接続していませんか?冷蔵庫は24時間稼働する家電ですので、他の電化製品と併用すると、オーバーヒートやブレーカー落ちの原因になります。特にドライヤーや電子レンジなど高出力の家電と同時接続するのはNGです。冷蔵庫専用に一本使うのが基本です。
コードの長さと設置場所の安全性
長すぎる延長コードは電圧が下がりやすくなり、結果として電流が増えてコードが熱を持つ原因になります。また、コードが家具の下に押しつぶされていたり、曲がっていたりすると、そこから発熱や断線につながることも。コードはできるだけ短く、かつ空気が通る場所に設置するのが安全です。
2-2.なぜ冷蔵庫の延長コードは事故の元になる?
想定以上の電流が流れてしまうケース
経済産業省が公開している製品事故データベースでも、延長コードに関する事故は数多く報告されています。原因の多くは「想定以上の電力を使ってしまった」ケース。冷蔵庫の起動時は瞬間的に電力が跳ね上がることもあるため、耐久性のないコードだとその一瞬でトラブルになる可能性があります。
古くなったコードの劣化が火災を招く
延長コードも消耗品です。長年使っていると内部の銅線が劣化したり、被膜が破れたりします。見た目では気づきにくくても、ちょっとした傷や汚れからショートすることも。特に冷蔵庫のように常時使用する機器につなげると、負荷が大きく劣化も早まります。
設置状況が悪く熱がこもるケース
延長コードを冷蔵庫の背面や家具の裏など、通気の悪いところに設置すると、熱がこもりやすくなります。熱が逃げないことでコードの被膜が溶けたり、最悪の場合は発火することも。湿気の多い場所も避けたほうが無難です。コードまわりはできるだけ空間を確保しましょう。
2-3.安全に冷蔵庫に延長コードを使うには
PSE認証のあるコードを選ぶ
延長コードを選ぶ際に、まずチェックしたいのが「PSEマーク」です。これは国が定めた安全基準をクリアしていることを示すマークで、安心して使える製品の証といえます。消費者庁もこのマークの確認を推奨しています。ネット購入の際は商品画像や説明文をよく確認することが大切です。
専用の高出力対応延長コードを使う
冷蔵庫には、家庭用の軽負荷タイプではなく、必ず高出力に対応した延長コードを使ってください。中には電気工事士やプロの監修のもとで設計された延長コードもあります。例えば「業務用対応」「2000W対応」「太い電線使用」などと記載されているものが目安です。製品によっては放熱対策や耐熱素材を使っているものもあり、安全性が高くなっています。
月1回の点検とホコリ除去を習慣化する
延長コードは「使いっぱなし」にせず、月に1回くらいは点検を行いましょう。プラグの根元が熱を持っていないか、コードにねじれや傷がないかをチェックします。また、ホコリがたまりやすい場所でもあるため、掃除機やウェットティッシュなどでホコリを取り除くことも忘れずに。火災予防協会でも、定期的なホコリ除去を重要視しています。
3.冷蔵庫延長コードは知識と準備で安全に使える
3-1.延長コードは選び方と使い方がすべて
冷蔵庫には専用コードの使用が前提
冷蔵庫に使う延長コードは、家庭用の一般的なコードでは基本的に力不足です。冷蔵庫は24時間動き続ける家電なので、出力や安全設計がしっかりした専用品を使うのが前提になります。PSEマークや高出力対応などの記載があるかどうかを確認しましょう。
正しい設置と定期点検でリスクを減らす
延長コードのトラブルは、実は設置のしかたや日々の点検不足が原因のことも多いです。コードにホコリがたまっていたり、家具の裏でつぶれていたりすると、熱がこもって火災につながるリスクがあります。見た目が大丈夫でも、月に一度は手に取ってチェックする習慣が大切です。
電源まわりの知識を身につけよう
冷蔵庫の延長コードを安全に使うには、最低限の電気まわりの知識が必要です。「定格容量って何?」「タコ足配線はなぜダメ?」といった基礎を知っておくだけでも、リスクをかなり減らせます。家族や自分の暮らしを守るためにも、意識しておきたいところです。
3-2.安全性を第一に製品を選ぼう
冷蔵庫対応と明記された延長コードを使う
「冷蔵庫対応」としっかり記載された延長コードを選びましょう。電気店でもネットショップでも、パッケージや商品説明に記載されています。メーカーが用途を明確にしている製品であれば、安心感が違います。できればレビューもチェックするとさらに安心です。
電源タップより壁コンセントに近づける工夫を
そもそも延長コードを使わなくて済むなら、それが一番です。配置を見直して、冷蔵庫の近くに壁コンセントがある場所に移動できないか、考えてみるのもアリです。床の上にコードを引き回すよりも、見た目も安全性もスッキリします。
使用環境を整理しコードに負担をかけない
延長コードはコード自体に無理な力がかかっていたり、通気の悪い場所に設置されていると、それだけでリスクになります。動線やコードの取り回しを見直し、周囲にホコリがたまらないようこまめに掃除をするだけでも、かなり効果があります。
3-3.冷蔵庫に延長コードは使っても大丈夫?
まずは家の冷蔵庫の消費電力を確認する
私なら、まず自宅の冷蔵庫の「消費電力」を確認します。説明書や本体のシールに記載されています。それをベースに、どのくらいのスペックの延長コードが必要かを把握するのが第一歩です。知らずに適当に選ぶのは、ちょっと怖いですからね。
電気店で冷蔵庫対応の延長コードを相談する
次に、電気店のスタッフさんに相談します。自分でネット検索してもいいですが、プロに聞くと安心感が違います。「冷蔵庫用の延長コードを探してるんですが」と伝えるだけで、条件に合った製品を紹介してもらえるはずです。
配線まわりを整理しホコリを取る習慣を
そして最後に、配線まわりの見直しです。家具の裏にホコリがたまっていたら掃除して、コードに曲がりやたるみがあったら直します。延長コードだけでなく、冷蔵庫の周辺すべてを安全に保つ意識が大切だと思っています。
※外部リンク:Vol.164 3月13日号「延長コードによる事故」(製品評価技術基盤機構)